読むと安心する現役僧侶の語り

人生は苦である。誰もが同じ苦しみについて悩んでいます。このブログを読んでいただき少しでも安心を感じていただけたら有難いです

人に優しく出来なくてもいいんです

本当はみんな優しいはずなんです。

 

色々な競争の中で、人より優位に立たなくては損をすると考えてしまい、素直に人に優しくできないんです。

 

勇気を出して人に優しくしようと一歩踏み出したのに、その優しさを受け取ってもらえなかったり。

 

または、人に優しくしたことにより損をした経験をしたり。

 

誰かが目の前で物を落としたのに、体が動かず拾ってあげられなかった経験や、お年寄りに優先座席を譲ってあげられなかった経験ってありますよね。

 

心の中では優しさを与えたいのに、勇気が足りなくて行動に移せずに、その結果自己嫌悪に陥るどころか、そのことを誰かに責められたり。

 

本当は誰もが優しさを与えたいんです。

 

常に他人に優しくできる人なんてごく少数の勇気のある人で、多くの人は行動に移せずに自分が嫌になったり、開き直って自分は自己中心的な人間だと思い込んだり。

 

あなたが優しいことはあなた自身がよくわかっていますし、あなたの親が一番わかっています。

 

遠い国の戦争の悲劇や、恵まれない子供達に対して同情しない人なんていないんです。

 

まずは一番側にいる人から優しくしてあげて下さい。

 

笑顔を与えること、それを和顔悦色施と言います。

 

優しい眼差しを与えること、それを眼施と言います。

 

それらは慈悲の実践である布施の一つです。

 

でもそれが出来ないからといって悲観する必要はありません。その事を知っているだけでいいんです。別に他人に優しく出来ないからって悩む必要はありません。

 

優しい人ほど損をしたり、傷ついたり、悩んでいることを知っていますからね。